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無題

第4章 変化(前編)

結局
30分遅刻して
居酒屋に着くと、
場は荒れていた。

一瞬
ポカン
となった郁也と、
あきれたように
ため息をついた雅樹が
案内された場所で
靴も脱がずに
立ち尽くしていた。

不機嫌さを隠すこと無く
あれだけ楽しみにしていたのに、
ほぼ無言で酒を飲む
勇二と、
それを気にしながらも
女の子と話そうと頑張る
飛鳥。

不機嫌な勇二に
若干引き気味の水瀬の娘2人が
飛鳥に気を遣って
上滑りな会話をしていた。

残りの女の子2人は
郁也の知らない男と
3人で盛り上がっていた。

完全に分裂した席に
ぎこちなく合流する
郁也と雅樹。

盛り上がっている席は別として、
勇二と飛鳥を担当していた女の子2人は
雅樹を見て
目を輝かせた。

雅樹が何とか場をいなして
何とか勇二がキレる事態は避けられたが、
もう少し遅れてきてたら
と思うと
郁也は肝が冷えた。

勇二は
普段明るくて
面白い事が大好きな
お気楽キャラなのだが、
女の子が絡むと
途端に
視野が狭まり
ライバル視した男に
喧嘩を仕掛けてしまう
短気キャラに
豹変してしまう。

しかも腕っぷしも強くて、
グループ内でも
本気になった勇二を止められるのは
郁也くらいしかいなかった。

最初の頃雅樹も合コンの席で
喧嘩を仕掛けられて
止めたのを思い出す。

今は本当に仲良くなったようだが、
一時期は飛鳥と郁也で
随分と気を遣った。

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