無題
第5章 変化(後編)
「ッ!?イヤだッ」
「ん?」
少し痛いくらいに
指で弾くと
ビクン
と大きく反応して、
新しい滲みが
溢れてきた。
「気持ちいぃって言って?」
「…こんなの…イヤだ…」
ついに
零れた涙を
舐めて
優しく言う。
「気持ちいぃって言ってほしいな」
小さく震える
唇を
むさぼって
歯列をなぞり
舌を引きずり出す。
気持ちいいより
苦しいキスに
翻弄される
雅樹の表情は
甘く、
時折昂りを
郁也に擦り付けた。
それでも
弱く抵抗する姿には
どことなく
信念が滲んでいるように感じて、
郁也は少し
距離をとって
雅樹を覗きこんだ。
くっきり二重についた
長いまつ毛が
ゆっくりと上がり
潤んだ瞳が
上目使いに
郁也を見つめ返してきた。
あまりにも
整いすぎて
ゾッとするほどの
顔立ちを黙って見つめていると、
小さく
呼吸を整えた雅樹が
薄く唇を開いた。
「…言うか言わないか、悩んだ」
「うん」
「…」
「…」
「…でも…」
「…」
「聞いてほしい、と思った」
「ん?」
少し痛いくらいに
指で弾くと
ビクン
と大きく反応して、
新しい滲みが
溢れてきた。
「気持ちいぃって言って?」
「…こんなの…イヤだ…」
ついに
零れた涙を
舐めて
優しく言う。
「気持ちいぃって言ってほしいな」
小さく震える
唇を
むさぼって
歯列をなぞり
舌を引きずり出す。
気持ちいいより
苦しいキスに
翻弄される
雅樹の表情は
甘く、
時折昂りを
郁也に擦り付けた。
それでも
弱く抵抗する姿には
どことなく
信念が滲んでいるように感じて、
郁也は少し
距離をとって
雅樹を覗きこんだ。
くっきり二重についた
長いまつ毛が
ゆっくりと上がり
潤んだ瞳が
上目使いに
郁也を見つめ返してきた。
あまりにも
整いすぎて
ゾッとするほどの
顔立ちを黙って見つめていると、
小さく
呼吸を整えた雅樹が
薄く唇を開いた。
「…言うか言わないか、悩んだ」
「うん」
「…」
「…」
「…でも…」
「…」
「聞いてほしい、と思った」