
16歳に恋する23歳の俺。
第11章 慧side
優美花をソファに座らせて
俺はその隣に座った
逃げれるときに逃げようと
バッグを膝に置いて
肩に掛ける部分をしっかり掴んでいる優美花に
切なくなった
「なぁ、優美花」
「…………」
黙秘権、ですか
「なんでお前、俺ん家出てったんだよ」
「…………」
「俺のこと嫌いになった?」
微かに首を左右に振る優美花。
あ、嫌いになったわけではないのか…
「好きな男出来たとか?」
分かりやすい優美花は
バッグをきゅっと掴む
「ふーん…
俺のことはもうどうでもいいのかぁ……」
俺がそう言った瞬間
優美花は
「違っ……」
と、今にも泣きそうな声を漏らした
