記憶のカケラ
第2章 日常
「それじゃあ、先に戻ってご飯の準備してるからな。寄り道して来るなよー。」
おじさんはそういいながら車に乗り込んだ。
「じゃあ遼、亜梨紗お願いね。」
おばさんも車に乗り込む。
そして車は走って行った。
また俺らは自転車で2人乗りをしながら帰る。
「なんかさぁ、毎回毎回思うんだけど、迎えに来た私たちおいて先に帰るって変だよねぇ。」
なんてけらけら笑いながら亜梨紗が言った。俺もつられて笑う。
「俺もそう思ってた。」
「ほんとは私一人でいけば帰り車に乗ってすぐ帰れるんだけどね。」
なんて言うからちょっと俺がお節介になってるのかと心配になる。
「だけどあの海に行くのはお父さんとお母さんみるまで一人じゃ不安なんだ。毎日付き合ってくれてありがとね。すごく心強い。」
亜梨紗のその言葉に安心した。
「もう10年近く2人で迎えに行ってるからな。当たり前過ぎて苦労にすらかんじねぇよ。俺はこの時間嫌いじゃないぞ。」
「私はこの時間好きだよ。」
そういうから俺は嬉しくなって笑った。