記憶のカケラ
第4章 デート
自転車を止めて後ろを振り返った遼は驚いた目で私を見た。
「えっ、あっ大丈夫か?」
さっきまでとは違っていつも通りの遼の声。
ほっとしたからか余計に涙があふれる。
「亜梨紗ぁ、頼むから泣かないで!なにがあった?俺?」
私は泣きながら首を振る。
「…ひっく。…遼…怒らせてごめんね。でもなんで遼が怒ったかわかんなぃ…。」
「いや、亜梨紗のせいじゃないし!むしろ俺が悪いっていうか…。」
最後の方はしどろもどろな遼。
遼がそういってくれても不安でいっぱいな私。
「でも、遼怒ってた!私がちゃんと彼女みたいに出来ないから?ほんとはこんなやつじゃなかったのにってがっかりしたから?」
「ちがうってばっ!!!!」
遼の声が響いた。