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声をきかせて…

第4章 帰り道

何分たっただろうか…。

一分だったかも知れない…。
五分だったかも知れない…。

あまりにも悔しくて、
あまりにも怖くて、
周りの目を気にせず座り込んでいた。

すると目の前の光が消え私は見上げると小野さんの顔がそこにあった。

私は急いで立ち上がると小野さんにカバンを差し出し急いで立ち去ろうとした。

さっき捕まれていた腕を小野さんにつかまれ、さっきの出来事を思い出し思いっきり振り払ってしまった。

そのまま私は急いで自宅のマンションがある方に走り出していた。

会社を過ぎるところで、久しぶりに履いたヒールということもあり豆がつぶれて痛いし、ヒールで走ったせいで太ももの所も変に痛くなっていた。

真っ暗になっている会社の入り口で座り込みヒールを脱ぎ足を休ませていると走ってきたのか息を切らせながら小野さんが私に近づいてきた。

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