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声をきかせて…

第12章 独り言

『本当は言いたくなかったけど…。

ゴメンって言われたときにあともうひとつ言われた。

まだ付き合ってはいないけど、日菜子ちゃんの事が好きだから、いずれは付き合いたいとは思ってる。だからゴメンって言われた。

本当に聖夜くん山木さんが好きなんだって思ったよ。


話さない理由は、聖夜くんから話してくれるの待ってあげて。

聖夜くんにとったら思い出したくない過去だと思うから。』

その過去を佐々木さんは知ってるんだ。

私は、彼女なのになにも知らない…。

話してももらえない。


『話してもらえなくても、付き合ってるって事実があるんでしょ。

一番、聖夜くんに近いのは山木さんでしょ。

ならそれでいいじゃない。

話してくれるの待ってれば。』

『なんで付き合ってるって知ってるんですか?』


『あっ…。』

佐々木さんはばつの悪そうな顔をしていた。


『電話がきたの。

山木さんと付き合ったって。

山木さんに変なことしたり、言ったりしたら許さないって。

聖夜くんが怒るの初めてだったからびっくりしたけど…』

私は佐々木さんの話を複雑な思いで聞いていた。

内容は嬉しいけど、佐々木さんには、
話しして、、私には話してくれない事実をつきつけられているから。

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