スマイル ~*届3続編。気象・N*~
第9章 episode8~*先生*~
唯「はぁ、はあっ、おはようございますっ。」
「ギリギリでしたねぇ、篠山先生」
「それにしても、いい感じの車で送ってもらいましたねぇ」
唯「……はい。」
職員室に入った直後に時計が11:15を指した
私はもともと他の先生と仲が良くなくて、
いじめまではないけれど、その一歩手前まで来ているところだ
「あ、そういえば上原先生は、なんで送ってもらったことがわかるんですか……?」
嫌みのように言うおばさんに質問する
この職員室からはとてもじゃないけど、裏庭の駐車場なんて見えっこない
それなのに、他の教師ほぼ全員が冷たい視線で私を見ている
「篠山先生のがこの学校長いのにわかんないんですか?
防犯カメラですよ。
しかも、あなたがかぶってはっきりは見えなかったけど、
よくこんな遅刻ギリギリに彼氏なんかとのうのうとキスなんかできましたね。
しかも、誰かによく似たイケメンさんだし。」
職員室中に先生たちの、あぁ…という声が響き渡る
内心、すごくドキドキしてた
和くんってのが早くもわかっちゃうんじゃないかって。
でも、言動は
唯「はい、親切な方なので。
向こうも忙しいのにわざわざ送って、
キスまでしてくれました。
では、保健室に行ってきます。」
いつも通り、冷静な声で言うと一礼して立ち去った
「ほーんと、篠山先生って感じ悪いわよねー!」
上原先生(おばさん)とその周辺の先生が、聞こえてくるように高笑いをしていた
これだから、この学校の教師は未歩以外関わりたくない
保健室に向かっている途中、未歩から助けてあげれなくてごめんね…とメールが来た
その返事に、大丈夫、慣れてるから。と返し、これこそ嫌みじゃないかと自分に失笑した