スマイル ~*届3続編。気象・N*~
第11章 episode10~*戻ってきたはずの日常*~
唯「ホント、ごめんね…」
空「俺は唯先生の役に立ってれたら幸せだよ」
こういう優しい生徒のおかげで私はここまでやってこれたんだ
頭がとにかく良いくうくんは、私の二倍くらいのペースで書き進めていった
それでも、時間は刻一刻と過ぎていき、最終下校時刻になった
唯「くうくんありがと、すっごく助かったよ
あとは私がやるからもう帰っていいよ。」
空「あと100枚以上あるじゃん、しかも唯先生の手……ボロボロだよ
俺が見つかんなきゃいいでしょ?手伝うよ」
確かに私の手と頭はボロボロになって、悲鳴をあげていた
しかもサウスポーの私は紙と手が擦れて、手が真っ黒だった
唯「大丈夫、こんぐらい一人でやれるよ。
くうくんはもう帰って、明日私を褒めて(笑)」
くうくんは私の心配が伝わったのか、一度も開けなかったバッグを手にして
空「俺、もっと唯先生といたかったのにな
でも、唯先生に心配させちゃうなら俺はやめるね
明日、めっちゃ褒めてあげる(笑)だから、また明日ね」
寂しそうに背を向けて歩きだすくうくんに
唯「くうくん、、!!」
空「……何?」
唯「いつも、ありがとね」
空「、、あー、今唯先生に彼氏がいなかったら襲ってたわ(笑)」
唯「何か、ごめん。」
空「そんな目で見ないでよ。
唯先生のこと、諦めれなくなるじゃん……」
唯「え?何だって??」
空「、、なんもないよ(笑)じゃあねっ、、!!」
慌てて走り去るくうくんを見送ったあと、私は手の動きを再開させた
人ってこうやって浮かれるからいけないんだ
このとき、マナーモードにした携帯に着信が入ってたことに
気付かなかったのは、、何故なのだろう………