スマイル ~*届3続編。気象・N*~
第14章 episode13~*何も知らない*~
近所の公園のブランコで揺られ、考え事をする
というのも、ここのブランコは園内からほとんど死角なため
人に見られたくないときには打ってつけの場所なのだ
前にもあったような、
面倒くさがりやの和くんから大量のメールが届いたり
電話をかけてみたら、明らかに様子が変だったり……
そんなたくさん和くんの異変に気づきながらも、
私は和くんに、手を差し出してあげられなかった
自分一人で逃げて来てしまった
教師からの嫌がらせでボロボロになった手よりも
異変に気づきバスを待っているわけにいかず、
ヒールで全速力で走ってボロボロになった足よりも
見過ごした自分に悔しくて、
胸が痛い
一通りブランコに揺られ悶々と考えてから、顔を上げ、1歩だけ、外に出た
唯「……ミオリさん………?」
少し離れたところにある大きな滑り台の上に
体育座りをして顔を埋めて動かない、ミオリさんがいた
私は、惹き付けられるように1歩、また1歩と近づいていった
そして、嗚咽混じりの声を聞き取るように、耳を研ぎ澄ました
「萌依っ………
私、、もうわかんないよっ…………。」
メイ……?
あの、和くんの“メイ”?
知り合いなの…?
「私っ……
萌依が言う通りになれなくてさっ……
和くんはミオリとしてしか見てくれなくてっ………
だから、代わりに悪者の方を演じて、和くんが困らないように支えてるのに…
唯サンとは上手くいっちゃってさ…………
……結局、、和くんは、気づいてくれないんだよね……私の気持ちを………
昔も、今も、変わらずずっと好きだってことが………。」
私は、ミオリさんが何を言ってるかわからなくって、、
でも、一気に現実を知ってしまったような気がして、
やっぱり理解ができなくて、涙を流すミオリさんをただ呆然と見つめていた