スマイル ~*届3続編。気象・N*~
第16章 episode15~*影から*~
この頃、朝晩は肌寒くも感じる気温になった
こんな翌日が祝日になる日曜日に、
私はこんな夜遅くまで1人、残業をさせられていた
無音な職員室に、キーボードのカタカタという音が響いている
昨日と今日。
誰かがこの日に仕組んだのか、というほどの絶妙なタイミングの嫌がらせ
せっかく、和くんたちの応援ができると思ったのに
せっかく良い席で当選したから、和くんをビックリさせようと思ってたのに。
「あー、もったいない…」
1人の場所で、自分の声が無償に響く
そんな夢の切符は、仕方がないので未歩にあげて。
今頃、和くんたちは何を歌っているのかな…
あともう少しで、終演の時間だよね
そんなことを考えてながらこなしていたら
「あっ!!?
あー、もう…やり直しだぁ……」
終わらなさそうな仕事。
もうすぐ終わってしまう、和くんたちのフェスティバル。
何だか、和くんがどこかに行ってしまうような気がして、
「好きだよ……和くんっ……」
涙で視界がぼやけた