スマイル ~*届3続編。気象・N*~
第18章 episode16~*暖かい*~
寒い。
寒い……
この季節上のことはもちろん、
時期的に、お互い本当に忙しくなって、まるで会えなくて、
寂しいとか、そういうんじゃなくて、
寒い………。
今、和くんは福岡にいて、明日帰って来たら、私は出勤して。
1週だけ開けて、次の水曜日には和くんたちは、今度は大阪に行って。
次の週には名古屋、その次の週は札幌……。
東京には、今年こそ応援しに行くけれど。
そんなことをしているうちに、もう年末。
全然、悲しくはないんだ。
和くんたちにはたくさんの応援する人達がいて、
どの公演でも、その人達を、幸せにしていて。
そんな和くんが、私は大好きで。
そんな和くんのことを、自分のことみたいに本当に嬉しいんだ。
ただ、なんというか、
自分の意思とは関係ないものが限界なのかも知れない。
嬉しいって思っているのに、
頑張れって応援しているのに。
凄く、寒い。
湯船に使っても、
ホットココアを飲んでみても、
湯たんぽを入れて寝ても、
もう、寒くて寒くて、仕方ない……。
唯「……和、くんっ……。」
涙が出てきて、仕方ない……。
少しでもいいから、声を聞きたい。
顔を見たい。
抱きしめて欲しい。
キスして欲しい。
抱いて欲しい。
こうなることは、わかってたのに、
わかっているのに。
こんなにも早く、滅入ってる自分が憎い。
こんな自分が、凄く嫌い…。
唯「……っ……会いたい、よっ……」
やっぱり、暖かいぬくもりを知ってしまったら、
寒さが、余計わかってしまうんだ。