スマイル ~*届3続編。気象・N*~
第18章 episode16~*暖かい*~
和くんに、会いたい……。
和くんたちのツアーが始まって1週間の週末、
未だかつて、こんなに押し潰されそうな気持ちは、感じたことがなかった。
それほど、和くんが足りなくなってきていた。
でも、
実はそんなことも言ってられないほど、仕事が忙しくなってきていて。
まず、今年は流行が早いのか、それとも長いのか、
11月中旬くらいからインフルエンザが流行り出したため、
その部類の書類は山積みになっていく。
学級閉鎖はともかく、
昨日から2年が学年閉鎖をするほどの流行だ。
そのため、くうくんも昨日から休みとなっている。
それに伴って、
予防を呼び掛けていても、なるものはなるので風邪も流行り出す。
そのため、保健室に生徒が来ては、
体温の確認、保護者を呼んで帰宅させるの繰り返し。
それにこの季節、体育などでのケガも増える。
応急処置から、病院へ送り届けるのまで様々。
そんなので、保健室は人で溢れかえる日々。
また、この学校はスクールカウンセラーが付いているけど、それでも足りずに相談を受ける…。
その他、他の先生たちに押し付けられた山積みの書類があり……。
なんだか、養護教諭の大変なものが一気に来たような感じで。
唯「えっ……もう、11時…」
どれだけ遅くまでやっても、仕事は終わらない。
それでも、どうにか終わらせようと、無我夢中で書類を片付ける。
早く…帰りたい……。
帰って…和くんに、会いたい……。
それだけを思って、手を動かす。
唯「ホント、、寒い……」
書いている字が乱れる。
手先、というより、体の震えが止まらない。
唯「誰かの風邪、、移ったかな……」
風邪かも知れないけど、きっと一番は違う。
きっとこの孤独感に、無意識なところが限界なんだ……。
会いたい、、会いたい……。
唯「……眠…」
このまま、、
このまま眠ってしまったら、
本当に、凍え死んでしまいそう……
そう思って、必死に手を動かした。