テキストサイズ

ふしだらと言わないで

第6章 慰み者の娘 3

 父は死んだ

 表向きは衰弱死だが
 本当は長兄、龍也によって
 毒を盛られていたのだ

 毎日少しずつ摂取した歳月は父を病に犯し弱らせた

 そして亡くなった
 眠るように息を引き取って



 死の間際に記した遺書
 遺産相続は随分問題になった

 身内以外の人間に
 一割を明け渡すとあったのだから



 揉めに揉めたが、結局遺書と亡き父の弁護士のおかげで、莫大な財産の一割という莫大な資産を

 双葉は手に入れた

 見ず知らずの使用人が。
 それだけでわかる
 いかに愛されていたか



 そしてそれは
 双葉がいなければ
 その娘七海に譲渡される



「パパのことは聞いてる?」
「社長なんだって!
すごいねぇ!
でも七海、ママかパパ
どっちがいいって聞かれて
片方だけって言われたから
ママって言った!
ママのちゅー大好き!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ