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ふしだらと言わないで

第6章 慰み者の娘 3

 父は遺書とは別に
 双葉に宛てた手紙を用意し
 美姫に預けた

 美姫は実の娘を差し置いた特別扱いに憤激して中身を見た

 すぐに後悔した






 それは恋文だった

 40も半ばの男が
 15、6の女に宛てた恋文

 気でも違ったかと思う
 常識からは到底考えられない
 歳の離れた愛を謳う恋文






 あの父が最愛の妻以外にそんな恋情を抱いていた事実に驚愕した

 手紙にはこう書かれていた

 くそったれな言葉で

 気持ちには気づいていただの
 年の差を考えれば
 お前には未来が
 ふさわしい男性が
 わしが受け入れるわけには






 …バカじゃん

 財産なんかで双葉が喜ぶわけないってわかってるくせに

 たった一言、愛してるって言えばよかったんだよ…

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