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ふしだらと言わないで

第3章 初めての恋の続き

 ビリッと真ん中が痺れた
 頭の中で危険だと鐘を鳴らす

 でも私は警鐘をわかってない

 高校二年だったから
 あれから8年経っている



 今となっては彼とどういう経緯で付き合ったのかさえ思い出せない
 遠距離恋愛なんて夢物語で私は好きな人ができて、別れた

 それっきりだった
 存在など今の今まで忘れていた



(誠司…)



 かなり離れていたが
 降りる気配は感じ取れた

 停車して開いたドアから人が溢れ出して流れるが、私はいつになく無茶な動きで強引に流れを無視して、ホームで誠司の腕を取った



「私が誰だかわかる?」
「真衣…?」



 彼の第一声が全部悪かった

 誠司の中身は8年経ってアレコレ変わった私を一目でわかった

 なんで?と思った

 ドクン…、と跳ねる
 久しく感じることのなかった不整脈が胸の奥に生まれた

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