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ふしだらと言わないで

第7章 ラブ・エッチ・スリル~あたしだけが特別な感情を~

おにぃはなかなか帰らなかった

当然だが、柚香の携帯に連絡をくれるような人ではない

おにぃより先にパパが勤め先から帰ってきてしまった



「ね、パパ…
なんでおにぃ嫌いなの?」
「………」
「なんとか言ってよ」
「別に…嫌いではない」
「嘘ばっか
あたしが90点で誉められて
満点のおにぃが誉められないなんて
誰が見たっておかしいよ」



真実を知っている柚香は探りを入れたが何も得られなかった



「柚香、寝なさい」
「やだ。もう少し待つ」
「…勝手にしなさい」



パパは朝早いのでもう寝るようだ






柚香はボーっとテレビを見ていた






思えば自分とおにぃは小さい頃から随分毛色が違っていた

環境がそうさせたとはいえ、おにぃの優秀さは群を抜いており、平凡に毛が生えた程度の妹の柚香とは何もかも違う存在だった



―おにぃと結婚する!―

子供の柚香はよく言っていた



おにぃはよくよくモテて、それに比べて柚香は同じ血を引いてるとは思えないほど平凡な女子だった



高校生になってそれなりにモテるようになったけど…

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