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好奇心─小さな欲望─

第1章 1時間目

私立有明小学校。
通称、有小─。

どこぞのお金持ちが建てたとされる、
設備の整った大きな学校。

そこに通う、一人の男の子。

「ヘヘッ…今日は何が起こるかな?」

笹倉(ササクラ)将太(ショウタ)。
小学3年生。(3の2)
一人称、オレ。

すっきりとした、青空の下。

今日も朝から将太はご機嫌だ。

「おっはよーんっ!将太っ」

─バシッ

「うわぁっ」

そんな将太の背中を思い切り叩いて、元気に挨拶する少年。

「おはよ…碧斗(アオト)」

将太はヒリヒリと痛む背中を気にしながらも、挨拶を返す。

その目は確かに涙目だ。

「だっらしないなぁ、将太!

こんなんで泣いてちゃっ、
おとことしての名がすたるぞっ」

眉をハの字に曲げて、そんな事を言うのは、

持田(モチダ)碧斗。
同じく、小学3年生。(3の2)
一人称、俺。

「なっ、ないてねーよ…」

「ったく…そんな将太に良いこと教えてやるよっ!」

「ん?良いこと?」

「そっ、良いことっ」

ニヤリと不適に笑う碧斗は、勿体ぶった様に将太の言葉を繰り返す。

「何だよ!早く教えろ!」

碧斗の焦らしに少々興奮気味で、話を急かす将太。

「わかった、わかった…あんなぁ…」

将太の急かしを軽く流して、尚も勿体ぶって口を開いた碧斗。

「…俺たちのクラスに、女の先生が来るらしいぜっ」

「えっ!?まぢで!?」

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