テキストサイズ

redcross

第13章 宣戦布告

次の日の朝、俺は梨華を大学まで送った。

車で梨華と少し話をしてると梓が目の前を通りかかった。

俺は姿を確認するなり運転席からすぐおり、梓に声をかけた。

『梓。おはよう。』

俺に目を向けた瞬間、梓の眉間にシワが寄った。

俺はそんなにお前に嫌われてるのか?

俺は梓が好きだった。

梓の特別になりたかったのに…。

いまは会っただけで…嫌な顔かよ。

でも、いいや。

俺の思いに答えないならそのぶん俺がお前にくれたぶんを返してもらうだけ。

と言い聞かせていた。


『梓、前のライブハウス覚えてるか?
あそこ。今も俺、いるから。なんかあったら来いよ。』

俺は笑いながら言った。

『行かない。用事もない。』

『来ることになると思うよ?
昼間はいないけど夜は大抵いるから。』


『ねぇ。梨華と関わるなとはもぅ言わない。
私ともぅ関わらないで。』



梓は怒っていた。
俺は梓に近付き耳元で


『やーだね。
俺が梓にあげた3年と前科持ちなった分返してもらうよ。
俺を3年入れといて会いにも来ないし、そんな態度はないよね。

俺、梓が好きだったの、知ってるよね?』

俺が言い終わると梓は小さく


『ごめん…。』

と呟いた。

俺は聞こえなかったふりをして、車に戻ると梨華に何を話してたのか聞かれそうになったからキスをして黙らせた。

その様子を梓は少し見てからそそくさと行ってしまった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ