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第17章 クラブ エマリ

私は封筒を鞄に入れ、去っていった大好きな人の少し小さくなった背中を見ていた。

あと80万…。

どうやれば…。

昨日からそればかり考えていた。

精神的にきつそうな海斗を見てるのがきつくて…

そんなときに側にいるのもだめで…。

お金さえあればって本当に思った。

お金もっと貯めとけば良かったと…。

そんなとき、昨日みたお水の人を思い出した。

それと同時に

『飲み屋の彼女っていいよね。』

という海斗の言葉。

ファミレスのバイトも今日は休みで、お金を渡す時に少しでも海斗と長くいれたらと思っていたのに…。

海斗は忙しそうだった。

暇潰しに、私は本屋に入った。

本屋の入り口にフリーペーパーが置かれていた。

通販のカタログ
通信教育のカタログ
求人広告の紙

そして…。

夜のお仕事専門の求人のフリーペーパーがあった。

私はその夜のお仕事専門の求人雑誌を見ていた。


時給1500~

時給2500~バックアップ有り

時給1800~ノルマなし

そんな数字が目に飛び込んできた。

時給が高いのは知っていたけど…。

時給750円でファミレスでバイトしている私はその事実にびっくりしていた。

その中でも私の目に飛び込んできたのは、

クラブ エマリ

初めて大歓迎!
研修期間中~時給2500円。
ドレス貸し出し有り。
メイク、セットも専門の人が貴女を夜の蝶にしてくれます。
いつでも、お試し入店受付中!
迷ったら電話して!

と書かれていた。

私はその電話番号に電話をかけていた。

通話ボタンを押す手に心臓がついているかと思うくらいにどきどきしていた。

『お電話ありがとうございます。
クラブ エマリです。』

『あの…求人のフリーペーパーを見たんですが、お試し入店したいのですが…』

『今日、大丈夫?
ちょうど女の子いなくて困ってたのよ。』

『是非お願いします。』

私はお店の場所を聞きすぐに向かっていた。

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