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第17章 クラブ エマリ

そんなことを考えていると、梓がチャイナドレスを着てメイクやセットをされ、私の前にあらわれた。

『梨華ちゃん。あーちゃんに色々教えてもらってね』

とママに言われ返事をすると梓はコップなどの用意をしていた。

『水割りを作る場合は…』

『お湯割りは…』

『水割りのグラスに水滴がついたら…』

『タバコを吸おうとしたら…』

と色々教えてくれ、練習で使ったコップなどを直しているときにわたしは梓に聞いた。


『ねぇ。梓。大学辞めたの?』

『辞めたよ。』

『何で?せっかく入ったのに?』

『大学に行く必要がなくなったの。ただそれだけ。』

そういうと梓は洗い場に消えていった。

それを聞いてたママが

『梨華ちゃんとあーちゃん何かあった?
あーちゃんさっきからなんかおかしいのよね。』

『あっ…いえ。何でもないです。』

『そう?ならいいけど。私のめいっこよろしくね。』

笑顔で…。
でも目が笑ってなかった。

そうこうしているうちに開店時間になりお客さんが到着しだした。

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