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第4章 特別なオヤジ

数回ベルが鳴ったあとに響が電話に出た。


『もしもし。おはよう。』

響の声はいつもより元気があるように聞こえた。


『ねぇ。こんな大金のお釣は受け取れないから次会ったら返すから。』

私は響に反して不機嫌だった。

響にしてもらったことが、元気にしてもらったことが嬉しかったのにそれがお金に変わったのが嫌だった。

『いらない。
久しぶりによく寝れたんだ。
リカちゃんとの時間は何もしなくてもそれくらいの価値があるから。
返されても困るよ』

『私も困るんだけど。』

本当に響は困ったようにうーん。と考えていた。


『じゃあ…。次のホテル代にとっといて。』

そう言われて承諾した。


響は本当に変わってる。

女が目の前で乱れてるのに本当にいれずに終わるんだから。

エッチしてないのにお金を出すし。

私がどんな態度をとっても笑ってるし。

ホントに変わってる。


でもそれだから特別なオヤジなんだと思う。

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