テキストサイズ

redcross

第9章 再開

『あれ?梓?久しぶりじゃん!』

ーーー!
私が一番会いたくなかった人。

『か、いと…。』

海斗にも負い目を感じていた。

私がまいた種…。

私は捕まらずに、海斗は捕まった。

会いに行こうと思ったこともあったけど。

会わせる顔もなければ…

警察が聞いてる所で話せるような会話ではなかった。


だから私は会わない。という選択をした。

『梓。会いたかったよ。
なんで、番号変えてんだよ。
俺一番にかけたんだぜ。』


『そう…』

私は下手に話さないように最低限しか話さなかった。

梨華の前で海斗とは話したくなかったから。

『ごめん。先急ぐから。』

『んだよ。つめてぇーな。
忙しいからしゃーねぇーか。
じゃあな!』

いつものにかっとした人懐っこい笑顔は昔と変わらなかった。

『梓、あの人誰?』

『一時、高校に行かなかった時期あったでしょ?
あの時に知り合った人。』

とだけ私は話した。

『ふぅーん。かっこいい人だね。笑顔可愛かったし。
あの人何歳なの?』

梨華が興味津々に聞いてきた。


私はというと、連絡先とか聞かれてないし。
会うこともないだろうと安心していた。

梨華の、問いには

『忘れた。』

とか、

『あまりしらない。』

と言ってごまかしていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ