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redcross

第10章 闇

女はスーツ姿に弱い。
それに、スーツ=仕事っていう印象がつくからいいらしい。


一週間程通ってから俺は行くのを辞めた。
梓の知り合いという安心感からかよく話すようになっていた。

梨華に俺のことを気にかけさせる時間を与えた。


そして二週間ほど空けてからファミレスに向かった。


今日はラフな格好をして。

鞄は必要ないからあえてスーツを辞めた。

鞄を持たずに携帯、鍵、たばこ、財布をポケットに入れた。

今日の財布はいつもの長財布は辞めて小銭入れにした。


ファミレスに入りカウンターに座った。

コーヒーを一杯だけ頼んだ。

『海斗さん、久しぶりです。
何で最近いらっしゃらなかったんですか?』


来た。
俺は確信した。
俺の印象が好印象なのを。


『最近仕事が忙しくて…休みがなかったんだよね。』

とだけ、答えて疲れてるオーラを出した。

コーヒーを飲み終わった所で、探すふりをした。

梨華の目の前でわざと。

『海斗さん?どうかしました?』

『いやー。財布落としたみたいで。
さっきのコンビニかな…。
今日ついてないなー。
どうすっかな。』

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