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redcross

第10章 闇

その後、二人で飲み明かした。

次の日、俺はファミレスに向かった。

スーツを着て…。

ファミレスに入り、梨華を呼んでもらった。

『お疲れさまです。海斗さん。』

『お疲れさま。
梨華ちゃん、これこの前のコーヒー代。』

千円を差し出した。

『いらないですよ。
いつも来て下さってるから。
気にしないで下さい』

『そうゆうわけにいかないよ。』

出した手を引かずにもう一度差し出した。

『本当に気にしないで下さい。』

梨華はやはり受け取ろうとしなかった。

計算通り…。

『んー。それじゃあ俺の気が済まないんだけどな…。
じゃあ、今度一緒にどっかいこうか?
お礼もかねて。』

『えっ。』

『凄くあの時助かったんだよね。
どうしてもお礼がしたいんだ。
それとも…俺とは嫌?』

俺は困った様な顔をした。

『そんなことないですよ。
海斗さんとどこか行きたいです。』

梨華は焦って言葉を返してくれた。

『じゃあこれ、俺の番号ね。』

と名刺を渡した。

株式会社トリドル
営業部 部長
と肩書きが書かれた名刺を渡した。

もちろん偽物。
俺が働いてる会社のビルの上の階がトリドルだった。

俺の働いてる会社はそのすぐ下の階で事務員として働いていた。

同じビルなら入るところを見られても錯覚する。

だから利用させてもらった。
営業部なら外回りとかで、ファミレス寄るのも理由が立つしね。

そして、女は肩書きに弱い。

『海斗さんって部長さんなんですね。
すごーい。』

『全然、凄くないよ。
じゃあ…連絡待ってるね。
今日は忙しいからまたゆっくりコーヒー飲ませてもらうよ。』

と足早にファミレスを離れた。

これで、掛かってくれば罠は成功。

99、9%掛かる。

次会う確率が高い人は無下に出来ないからね。

それに俺は客で梓の知り合いという安心保障付き。

~♪~♪~♪


ショートメールが入っていて梨華だった。

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