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わすれない

第2章 それぞれの傷

ーーー私の叔母さん?



私と片山さんは顔を見合わせた。



「楓沙織さんは、片山氏の恋人でした。ですが、両家の反対にあい沙織さんは、未婚の母となりました。」




「…でも、母に兄弟はいないと聞きましたが。」



私は、じぶんの親の兄弟くらいは知っていたつもりだった。

「私も、片山から母の事を聞いたことありません。愛児園から引き取ってきたと、成人した時に言われただけで……。」



「それは、あなたを産んでからすぐに沙織さんの父、楓蔵之介氏が取り上げ沙織さんと引き離してしまったからです。そして、沙織さんはその後すぐに亡くなりました。」

私は言葉がでなかった。片山さんも、同じだったのか何も言わずに茅瀬をみている。



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