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わすれない

第2章 それぞれの傷

夜、いつもの居酒屋にきていた。


案の定中津川さんにつかまり、休みの間何があったかを聞かれた。

最初は話すのを渋っていた俺も、中津川さんの粘り強さに負けてざっくばらんにはなした



「ほぉー。そんでお前はその女の子に惚れちまったってか。」



「ほっ、惚れたって!!」



「惚れたんだろ?だから気になる。」



「……気にはなる。気にはなりますけど……!」


俺はそのあとが、続かなかった。



「なぁ、圭介。 そろそろいいんじゃないか?」


中津川さんはグラスを傾けながら言ってきた。その目は悲しいような、寂しいような……そんな目をしていた。




「そろそろ……って言われても 。」




俺はまだ、、、。




「……ゆかりだって、いまのお前見てたらあきれんじゃないか?」

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