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おにいちゃんのおもちゃ

第18章 海で……:兄

「彼氏ももっと待ってくれればいいのにね。無理にする事ない」
「そうですよねっ」


俺は指と指を絡めるような繋ぎ方に変える。
指と指の間が気持ちよくて、軽く握ったり開いたりしていると、時子も合わせてくる。


「手繋いでるだけでも気持ちいいしね」
「そうですね。不思議……」
「時子も気持ちいい?」
「は、い……」


俺は軽く指にキスする。


押し倒したい衝動を堪えて、時子の指を舐める。


「公彦……さん」
「こういうの、イヤ?」
「イヤじゃない……です。でも」


でも彼氏が、か。


時子のまっすぐな髪を撫でる。


「俺、すごいドキドキしてるよ。時子が好みだから……」
「あの、わ、私も……」


戸惑いと嬉しそうな表情。
彼氏への罪悪感を漂わせる。


髪に指を通していると、時子がうっとりと俺を見つめる。


「時子……」


ゆっくりと唇を重ねる。


「……」


唇を離すと、時子はぼーっとしている。


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