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もう1度好きになってもいいですか?

第3章 元に戻って

「私は渡さないわよ」
「うん。分かってる。これはあいつに向き合うチャンスだから。」

もう、練習は終わっていた。誰よりも早くグラウンドを去ろうとするあいつに声をかけた。
「本橋」
「なんだよ」
「これ、あんたにって。ともちゃんから。」
あたしは、手紙を渡した。
「あぁ、斉藤からの。あいつ、ほんとしつこいんだよな。振ってやったのに。」

ゴンッ
気がつくとあたしは、本橋の頬を殴っていた。
「あたし、そんなあんたに恋してたんじゃない!ぶっきらぼうだけど、優しくて、いつもそばにいてくれるあんたのこと、好きだったの!…戻ってよ、昔の純に。元に戻って!」
あたしはその場を立ち去った。

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