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齟齬

第4章 4




グラスの縁に唇をよせた。

ひとくちすすると

舌の先で上唇をおさえた。


「名刺…置いて帰ったのよ。」


グラスを中心に

目と目があった。


「スミマセン。」


早い返事に

彼女は戸惑ったように見える。

僕は視線を落したまま

シェイカーを

シンクにおくと

奥から

新しいものに手をのばす。



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