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赤い花~情欲の檻の中で~

第4章 MemoriesⅢ

 改めて見ると、彼女の腹部はもうこんもりと膨らんで、誰が見ても妊婦と判るくらいになっている。ここまで来れば、流石に流産の心配もないのだろう。
「今、六ヶ月に入ったところなの。今度は男の子ですって。主人も一緒に暮らしているお義母さんも歓んでくれて」
 と、彼女は聞きもしないことまで喋る。
「それはおめでとう。娘さん二人の次が男の子だったら、皆さん、歓ぶわね」
 と、またもや笑顔で返すが、内心は辟易していた。

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