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赤い花~情欲の檻の中で~

第4章 MemoriesⅢ

 画面には新着メールの表示があった。クリックすると、差出人の欄には名前がない。嫌な予感は最早、決定的なものとなりつつあったが、ここまで来てメールを見ないで削除することもできなかった。眼を閉じて思い切って、メールを開く。
―お前の恋人は浮気している。
 今度は、たった一行。これだけだった。
 しかし、その意味は大きい。いや、祥吾が自分以外の複数の女たちと関係を持っているのは知っている。

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