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赤い花~情欲の檻の中で~

第4章 MemoriesⅢ

 今更それを突きつけられたからといって、それだけで仰天したりはしない。が、このメールの中の〝浮気〟というのは、これまでの祥吾が拘わってきた、かりそめの恋とは違うような気がした。
 これもやはり勘だとしか言いようがない。さしたる根拠もないというのに、浮気のひとことで、四日前となった月曜日の夜の出来事がまたしても甦ってくるのだった。
 スマホを片手に熱心に話し込んでいた祥吾の後ろ姿や横顔が今もありありと眼裏に浮かび上がる。

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