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赤い花~情欲の檻の中で~

第4章 MemoriesⅢ

 今夜の祥吾はいつになくよく喋った。いつもなら、ロックのウイスキーを一杯時間をかけてゆっくり呑むのに、今夜はナッツとチーズの盛り合わせや、スモークサーモン、スティックサラダなど数種類のつまみまで頼み、ウイスキーを何杯もおかわりした。
 一体、何を考えているのだろう。祥吾の思惑はまるで読めない。それは何かの宣告を突きつけられるのをひたすら先延ばしにするようでもあり。

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