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海蛍

第20章 愛す者・愛される者

蛍が心配して声を掛けてくれる事さえ、本当に俺に向けられた言葉なのか・・なんて疑ってしまう。


そんな自分が情けなくて歯痒い・・。


『蛍』


俺は咄嗟に蛍を抱き寄せた。


『蛍』

「何?どうしたの?」

『蛍は俺の事・・好き?』

「何?急に・・」

『俺の事好き?』


分かってるんだ。

こうやって聞くと君の応えは

「好きだよ」

って言う事は。



でも



俺は馬鹿なんだろうな。

例え偽りの“好き”だと分かっても心が少し満たされてしまう。


重症だな。

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