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海蛍

第9章 想い出の海

俺が蛍と再会した初日


目を涙で腫らして部屋から出て来た蛍。


俺のせいで・・。


蛍の傍にすぐさま行って抱き締めたかった。

でもそれは許されない。絶対に。

その感情を消し去るために君に暴言を吐く。

自分の理性を守るために君に裏腹な言葉を吐く。




誰よりも君に俺の名前を呼んで貰いたいのに。

誰よりも蛍に名前を呼ばれたいのに。

それを俺自身で阻止する。



その夜は目の腫れた蛍の事と
もう2度と“ハル”と呼ばれない寂しさで寝る事が出来なかった。

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