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海蛍

第9章 想い出の海

俺の腕から逃れようとバタつく蛍を俺は逃がさないようにギュッと力を入れ抱き締める。


俺の体に蛍が埋め込まれるかのように力いっぱい抱き締める。


君の体に俺が埋め込まれるかのように・・・。




兄貴に全て囚われないで!

俺も君の心に居たい・・っ。





そう思った時、君の体の力がふっと抜けた。


その瞬間、俺は我に戻った。





俺は・・・・何をしてるんだ。




自分がした最低な行為を誤魔化すように最低な言葉で消してしまおうとする最低な俺。


俺はその場を逃げるように去った。


まだ腕の中にさっきまでの君の温もりを感じながら・・。



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