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許嫁から始まる恋

第4章 EPISODE #4

*HARUKA SIDE*


小春が部屋に戻った。
当分、出てこないだろうな。


 「はぁ…。」


俺はソファに体を預けるように深く
座り、ため息を吐く。

ようやく小春に会えたのに、
素直に言えないなんて格好悪い。
小春からしてはガキン時のプロポーズは
どうでもいいかもしれないが、
俺にとっては大事な事。

だって、小春は俺の初恋相手だから。

初めて会ったのは、小春が幼稚園児。
小春は直ぐに俺になついてくれた。
凄い可愛くて可愛くて堪らなかった。
幼稚園児に一目惚れだ。

それから月日が流れて、俺は教師に
なった。
教師になればまた会えるような
気がしたから。

赴任先の高校で原先生と仲良くなり、
校門で生徒達と挨拶をする事になった。
すると、気だるそうに歩いてくる
一人の女生徒。

黒い艶やかな髪を風に靡かせ、
くりくりした大きな瞳、白い肌。
見間違える筈がない。小春だ。

でも、小春は俺の事なんか見ずに、
通り過ぎる。
小春、じゃないのか…。


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