テキストサイズ

暗い少女は明るい少女?

第7章 灰音の災難

僕はふいに横を向いたときだった。
いきなり今まで僕の迫力に気圧されて大人しかった女子2人組が僕に飛び掛かってきた。不意打ちだった。
いくら僕の方が力が強くても相手は女子。殴るわけにもいかない。関節を固めて動けなくすることぐらいしかできない。でも無理があった。1人が僕を組み伏せてしまったのだった…。


その時僕を組み伏せていた女子を誰かが投げ飛ばした。僕は飛び起き、その人物を見た。

「美奈…?」

「卑怯よね。柊一が女子を殴ることができないの分かってて殴ろうとするんだから。」

美奈はそう言ってスカートのほこりを払うとブレザーを脱いで僕に渡した。そしてニッコリして言った。

「私だったら殴っても許されるよね。」

美奈の目が鋭く光った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ