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暗い少女は明るい少女?

第39章 雪色旅行

「ねえ、東京行かない?」

灰音がそう声を掛けてきたのは、恋愛問題が落ち着いて1週間、冬休み前の冷え込んだ日だった。

「東京?なに?いきなり。」

「姉さんが誘って来たの。」

「雪さんが?」

水沢雪。
灰音のお姉さんでとても綺麗な人。
確か、もう就職してたっけ?

「雪さん、東京で就職したの?」

「そうだけど、言って無かった?」

また言い忘れだ。
僕らの間ではこういうのはしょっちゅうだ。

「姉さんが東京に遊びに来ないか聞いてきたのよ。柊一くんとどうかって。」

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