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それでも、私は生きてきた

第55章 シ・ニ・タ・イ

途切れる事なく、
指はたんたんと言葉を打ち込み続ける。

頭の中に浮かび上がる言葉の音符は踊り続けていく。

カチカチカチ…
携帯のボタンを無駄に伸びた爪が弾きながら音を立てる。

朝方に差し掛かった頃。


もしかして、帰ってる!?


携帯を鳴らしたメールは、
高校の同級生だった。

梨花と私。
数人の男子。

いつも、5人で一緒だった。
飲み会となれば、集まるメンバーは決まる。

梨花が居なかったり、
私が居なかったり、
女一人で男の中に居ても安心出来るグループだった。

その中の1人。

拓磨とは、SNSの中で友達リストになっている。
つぶやきに気付いてメールをくれたんだな…

一気に込み上げる涙は、
喜びなのか
悲しみなのか

あの時の涙は、今でもわからないまま。





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