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それでも、私は生きてきた

第61章 サヨナラの意味

何時間もかけて
パーキングを巡りながら高速を降りた。

小田さんに連絡をし、待ち合わせをする。

赤信号で止まった時、母が
ボソッとつぶやいた。

ユリ…愛してるから、もう一度サヨナラだね。


母は、歌手の中島みゆきの大ファンだった。
子供の頃から、母の歌う「中島みゆき」が好きだった。

本人の歌を聞いた事が無いのに、
母の透き通るような高音の歌声で「中島みゆき」を覚えた。


拘置所に居る時、
母からの手紙の中に
中島みゆきの名曲の歌詞が添えられていた。


その言葉は、
拘置所に居る時には受け止められなかった。


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