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それでも、私は生きてきた

第65章 再会

そんな日々を繰り返している中。

父と連絡を取れる機会があった。
父に一言、謝りたい思いが心残りしていた。
釈放の時にも、父には顔を合わせれないままだった。

母から聞いた父の電話番号。緊張感に包まれながら鳴らした。


もしもーし。


変わらない父の電話越しの声。


パパ、ユリです…。

おお。元気ですか?

いろいろご迷惑おかけして…すみませんでした。

いーんですよ。パパはなんともないですよー。



相変わらずな父。
普段は無口で頑固。
クールとは言えず、照れ隠しに怒ったり、しかめっ面になる事を私は知ってる。


父とは、親子らしい親子だと思う。

口喧嘩も良くした。
怒鳴られ泣いた。

でも、
大好きなパパに変わりはなかった。



それから少し経った頃。
何気なく用事もないけど、電話をかけた。


パパ元気?


パパは今、出張中ですよー。

どこに?

◯◯県だー。

えっ近いじゃん!

んだなー。ユリと近ぇーなぁ。



父との電話を切ってすぐ、
彼に相談をした。

父親と再会したい。


彼は快く受け入れてくれた。



いいよ、会いに行こうよ。






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