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妹えっち!

第20章 別れ話










 ―…俺は怖い



 あの人が怖い



 怖すぎる









「―やめろ…
俺は…璃乃が…」



 わけもわからずもがく
 夢うつつで苦しさだけがある



「なに?」



 驚いて目を覚ます

 温かい手に握られている



「なんで…」
「呼んだから」
「なんのことだ」
「私を名前、呼んだ」



 璃乃は峰斗の手を口元に持っていくと唇で触れる



「握ってほしい顔してた」
「適当言うな」



 安心したのは事実だった
 璃乃の手が落ち着かせてくれた

 夢に喰われそうだった
 人はそれを、悪夢と言う

 起き上がろうとした峰斗は激しい鈍痛に苛まれた



「頭がいてぇ…」
「寝てなよ」



 少し記憶が混濁していた

 璃乃は裸で、バストこそないが優美でスレンダーな身体を、どういうわけか見事をさらしてくれている

 白く柔らかい肢体に膝枕されて璃乃が頭を撫でる

 昨日何があったんだっけ―…



「お兄ちゃん、私が好き?」
「…ああ、好きだよ」
「でも、それじゃあわからないよ
どのくらい好き?」
「俺は―…お前と結婚したいよ
俺は璃乃が誰かと結婚する姿なんか
見たくないし
俺はお前とずっと一緒にいたい
大人になっても…だ
お前を独占したいよ…
俺の…お嫁さんになれよ」



 目をやると璃乃の顔が見えた
 頬に朱が差し、恥ずかしげに黙りこくっている



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