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死にたがりうさぎと泣き虫黒猫

第4章 正体不明な招待

国道沿いの大通り

にぎやかに帰宅途中のサラリーマンやら学生やらで賑わっている

でもそれは表の顔で路地に入れば街頭も少なく薄気味悪さが目立つ

「なぁ。ここから遠いのか?」

間延びする気だるそうな声でMは小さく言う

「んー。Yが遠いと感じれば遠いし。近いと感じれば近いよー。時間と同じ感覚だよぉ」

そう言うとMは走りだし、捕まえてごらんと言わんばかりに振り返る

「待てってば。先に行かれちゃ俺が困るだろ。」

夢中でMを追いかける

意外にも足が早い。全速力で追いかけるが、距離が離れているように感じる


ひらひらと舞うワンピースの裾を頼りに俺は懸命に追いかけるが追い付かない

いい加減走り疲れたと思い立ち止まる

気づくと閑静な住宅街だ。街頭が少ないためはっきり分からない

「着いたよ」

急に声がするが周りにMの姿が見えない。声すらMなのか怪しい

代わりに目の前にはドアが大きく開いた一軒家がある

俺は躊躇する

明らかにおかしい

背後から急に声がし、びっくりする

「入らないの?」

Mだった

まるで、人間なようで人間じゃない不気味な存在が、俺の背後にいる

まるで、人間に化けてる悪魔のような雰囲気が漂う

「風邪引くから入ろ。私の家だしね」

Mはドアが開け放たれた家に迷わず入る。俺も慌ててMの後を追う

俺が入るとドアは勝手に閉まり、施錠されたのだった
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