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愛のため。

第99章 幻。

…私のことは幻と思って。


そうメールを送った後の電話。


彼は不機嫌だった。


「どうなるのかまだわからんやろ」


…私のような都合のいい存在がいたら、本気で立ち向かえないでしょう?
だから幻。


「じょあ今から家にいったら幻じゃないってわかるな。二度と幻って言うな」


そして私は泣く。ここに彼が来ても何も私は出来ないのだ。



幻。そこまで幻という言葉に気を留められるとは思っていなかった。

でも幻みたいなものだよね?

あなたは、私は、お互いの全てを
抱きとめることは出来ないんだから。

幻のように、すり抜ける。

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