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しずく

第2章 私の日常

午後18時。

バイトを上がって、駅に向かう。

歩いていたら、携帯が鳴った。

「おー。おつかれ」

間の抜けた声が聞こえる。

「おつかれさん」

笑って返す。

「今どこ?」

いつものように聞いてくる。

私はだいたいいつも同じように答える。

だって、この人は、私がバイトが終わった後を狙って電話をくれるから。

「駅に向かってるとこだよ」

「おっけー。駅で待ち合わせ。
20分くらいかかるけどいい?」

「うん。待ってるね。気をつけて」

電話をバッグにしまって、駅まで歩く。

上を見上げて、確認した。


「今日は、雨は降らないか」

小さな独り言を吐いた。

からりと晴れた夏の終わりの空。雨なんか振りやしない。

こんな日はいい。ベンチが濡れてないから、風に当たって座って待てる。

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