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S×強気で恋になる

第8章 いい加減にしろよ


「純平、口あけろー。ほらあーん。」

・・・・・。

「うまいかー。そーか。次これも食べてみようかー。」

なんでこいつこんなにご機嫌なんだ。
俺はあのあと左手を腰のところでしばられ、現在右手も左手も使えなくなり岡崎の好きなようにされている。
そりゃー、かなり抵抗した。
だけど、左手一本で勝てるわけない。
口で叫んだら塞がれた。し、上に乗られた時点で、正直やられるかと思って俺は死にたくなった。

が、とりあえず岡崎のイラつきは収まったようで、
俺はもはや俺じゃなくなっているのである。

「おい、岡崎。いい加減にしろよ。朝飯終わったら、ほどけよ。」
「下の名前で呼べよ。あーぁー、解くのどーしょっかなー。このままのが俺、介護しやすいしなー。縛ると純平お利口さんになるからさー。」
っ。ふざけたことを。
俺はもう怒り通り越して、呆れていた。
俺になんの因果があって関わってくるのか、とか、俺が何をした、とかそんなことも考えることが面倒になっていた。

「岡崎。俺縛ってそんなに楽しい?」
精一杯の強がりだった。
俺はこんなの余裕です。って雰囲気を演出した。が、
「楽しいに決まってるじゃん。だって今お前は、俺のもん。」
空気が変わったとでも言うのだろうか。
キリっと張り詰めた顔で、
岡崎の顔が近づいてきて、、、、
キスされる。そう思ってぎゅっと唇を噛み締めた。が、その甲斐虚しく、鼻をつままれ苦しくて開けた唇に舌をねじ込んできた。

「ッは・・・あっく・・・やめっ。・・・んっんん。」

舌で口内を、執拗に犯される。
舌を追いかけ唾液を流し込み
ぐたゃぐちゃにされる。

「ご馳走様。可愛い声でるじゃん、純平。」

そう言って不意に話した口からは、岡崎の唾液と俺の唾液がつたっていた。

くっそーーーー!!!!!!!!
俺は恥ずかしさと、敗北感で死にそうだった。
なのに、
「ほら、紅茶飲ませてやるから、口開けろ。」
「いらねーよ、馬鹿。もう食事は終わりだ。ほどけ。」
「口の利き方が直らないならダメだ。」
岡崎が鼻をつまみ、ふいに口内に赤いかたまりを入れた。その瞬間、
「ゲホッ、ゲホっ。あ、・・っは、辛ーーー!!!っ」
「っ、ドS!なにすんだ!・・ゲホッ」
「お前の口の悪さのせいで、手が滑っちゃったんだ。わりぃな。」
と、笑いながら言われて、俺はこの石化した右手とこの男を恨んだ。


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