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S×強気で恋になる

第5章 天敵

翌日。

「純平、おはよう。って、クマやばいぞ。眠れなかったのか。」ハハッと笑ってくる。
「てめー、笑うな。重いし寝返り打てないし、朝もめちゃくちゃ早く起きないと準備間に合わねーんだよ!!くそ!」
俺の苛立ちはピークだった。
家を出るのも、改札を通るのも、満員電車も、どれもストレスだった。
「何か食ったか?たまには世話にしに行ってやるよ。」人に甘えることが大嫌いな純平にそんなこと言って、殴られるかなと思ったのに、返ってきた言葉は意外だった。
「ぜってぇ、来い!!来いよ馬鹿野郎!!!」

相当弱ってんな。
そう思いつつ、「あぁ。」と優しく返した。

それから会社のエレベーターに乗りこみ
それぞれのデスクにつくまで
相当疲れてるのか純平はもう口を開かなかった。

カチカチカチー
パソコンと電話と人の声が入り乱れる。

「横山君。君、ブラインドタッチ出来ないだろうから、しばらくは雑用と企画担当を任せるよ。焦らず、君らしく頑張って。」
「はぁ。本当に申し訳ないです。・・・ご配慮ありがとうございます。」

そんなやりとりを思い出す。
なさけねー。骨折れた挙句、上司にまで気を遣わせて、、、そして厄介なのはこいつらだ。
「横山先輩、だいじょーぶー?」
「お弁当作りましょうか?」
「横山君、コーヒー入れてあげるね」
女達が代わる代わる群がり、俺はもう、疲労困憊だった。

そして、まだ骨折からの熱があった俺は
午後に早退させてもらい
ぐっすり寝れるハズだった。

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