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夏の秘密

第18章 二人だけの秘密



夏「…」


その夜
久しぶりに熟睡する事が出来た夏
そしてその夜、夏は
ある夢を見る


その夢は懐かしい
懐かしい、あの頃の夢…





その夢は
夏が中学二年生、晴が中学三年生の頃
ある暑い夏休みの日の思い出


夏「あっ、帰ってきた!!」

晴「…」

夏「お帰りなさい!!」

晴「…ただいま」


サッカー部の練習を終え
泥だらけ、汗まみれで家に帰って来た晴
ちょっと近づいただけで汗くさく
全身
真っ黒に
日焼けしていた


夏「はいっ、今日もお疲れ様」

晴「…ありがとう」


冷たく冷やしたお茶を出すと
夏は自分の服や体が汚れるのを気にする
事なく
晴が脱ぎ散らかしたユニホームや
汚れたタオルなどを拾い
片付け始めた


晴「夏、片付けなら俺がやるから」

夏「いいから、それよりお風呂沸いてる
から先入ったら」

晴「俺はいいから夏が先」

夏「私はまだ片付けがあるから」

晴「…」


端から見ると仲の良い兄妹だったが
見た目と中身は違った
本当は…


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